順調に育っているベニザケ
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2022年09月07日
福島で陸上養殖のベニザケ 順調に成長/今冬に初出荷の予定
好適環境水によるベニザケ養殖事業化実験が行われている福島市の養殖施設で、稚魚たちは順調に成長。2022年1月初めの養殖スタート時には約70㌘だった体重は8月上旬には約200㌘にまで育ち、水槽で元気よく泳ぎ回っています。今冬には約1㌔にまで育ち、初出荷される見込みです。
このプロジェクトは福島県内でスーパーを展開する株式会社「いちい」(本社・福島市)と、NTT東日本、岡山理科大学の三者が共同で取り組んでいます。
ベニザケは消費者の人気が高いものの、病気に弱く成長が遅いため、これまで事業規模の陸上養殖に成功した例はありません。岡山理科大学が保有する好適環境水®の養殖ノウハウ・プラントシステムに、NTT東日本グループが持つICT(情報通信技術)を組み合わせて作業の効率化、自動化、陸上養殖に最適な設備構築を進め、ビジネスベースで世界初となるベニザケの養殖事業化をめざしています。
養殖場は、いちい本社の一角にある好適環境水の水槽。一部生産環境をICTでしっかりとコントロールしています。岡山理科大学の生物生産教育研究センターでも同様にベニザケを養殖していますが、成長データを比較しても遜色はないということです。
いちいの秋山亨仁・新規事業部主任は「まずは育て上げることを目標に日々の業務に努めていきたい。実験が成功すれば、もう少し大きな拠点をつくって、一人でも多くの人に安心・安全でおいしい生サーモンを食べていただきたい」と話し、「新たな雇用も生み出せるはずで、地域振興にも貢献していきたい」と目を輝かせています。
また、NTT東日本の越智鉄美・産学官連携担当課長は「作業を自動化したスマート養殖プラントを今後、数千㌧、数万㌧規模にまで拡大させられればと思っています」と述べ、「好適環境水®の技術を有する岡山理科大学としっかりと連携し、日本の水産業の活性化、ひいては事業化のさまざまな過程での地域の活性化を通して、循環型社会の実現に向けて、NTTグループの技術を生かしていきたい」と話しています。
ベニザケの成長を見守る「いちい」の秋山主任(左)とNTT東日本の越智担当課長(右)
好適環境水の水槽がある建屋と隣接のろ過装置