好適環境水の水槽に収容されるクエタマ
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2023年04月04日
宮崎県都農町での陸上養殖施設ほぼ完成/岡山から輸送のクエタマなど280匹を水槽に収容完了
岡山理科大学と宮崎県都農(つの)町、NTT東日本・西日本が連携して取り組んでいる好適環境水による交雑ハタ「クエタマ」などを養殖する試験養殖施設(都農町下浜・7.4トン水槽2基)がほぼ完成し、3月30日、岡山から輸送された魚が水槽に収容されました。設備建設に伴う諸手続きが完了し次第、養殖がスタートします。
クエタマは高級魚・クエとタマカイの交雑種。タマカイは同じハタ科で成長が早く最大で3メートル近くにもなります。この日収容されたのは、理大の生物生産教育研究センターで育てられ、平均で体長35センチ・重さ1キログラム程度にまで成長したクエタマ53匹と、体長7~8センチほどのタマカイの稚魚224匹。活魚車の水槽から網ですくい上げられ、次々に水槽に移されると、元気よく泳ぎ回っていました。今後、定期的に成長具合などをチェックしていきます。
この日は河野正和町長やプロジェクトを担う都農町漁業協同組合の金谷正文・組合長も収容作業を見守りました。
山本俊政・工学部応用化学科准教授は「タマカイの陸上養殖は国内初の取り組みです。今のところ順調に進んでいます。来春にはクエタマも2キロ以上にまで育ち、初出荷される見通しです」と話しています。
今回の試験養殖施設はプロジェクトの第1段階で、第2段階では40トン水槽2基など80トン規模の水槽などの施設を設置し、2025年度の本格生産をめざしています。
活魚車の水槽から網ですくい上げられたタマカイの稚魚
クエタマを水槽に移す金谷組合長
水槽の中で元気いっぱい泳ぎ出すタマカイの稚魚たち