ニホンウナギの養殖水槽を視察するハエル局長(右端)
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2023年12月22日
インドネシア政府の訪日団が好適環境水の陸上養殖施設を視察
インドネシア海洋水産省のテベ・ハエル養殖総局長らインドネシア政府の訪日団が12月21日、岡山市北区の岡山理科大学・生物生産教育研究センターを訪れて、好適環境水による陸上養殖施設を視察しました。
訪れたのはハエル局長や在日インドネシア大使館職員ら9人。養殖の生産性を高める技術の導入を進めている海洋水産省で12月14日、同省からの依頼を受けて、現地に出張中だった理大工学部・山本俊政准教授が、好適環境水による陸上養殖についてプレゼン。これを聞いた海洋水産大臣が強い関心を示したことから、今回の訪問となりました。
一行は、静岡県内の陸上養殖研究施設などを視察した後、この日、理大の生物生産教育研究センターを訪問。山本准教授らの案内で、35トン水槽で養殖されているニホンウナギやカレイのほか、福島市で地元スーパーチェーン、NTT東日本と世界初の事業化に取り組んでいるベニザケを養殖している水槽などを見て回り、好適環境水に関する説明を受けました。
続いて、平野博之学長を表敬訪問。ハエル局長は「インドネシアは海の環境があまりよくなくなってきているので、次の世代もタンパク源である魚をちゃんと食べられるような環境をつくり上げたいと思っている」と背景を説明。「大臣が山本先生の研究に非常に興味を持たれており、将来的に海洋水産省と大学が連携して、どんな形でもいいので新しい知識を私たちに分けていただければ」と述べ、「ぜひ一緒に歩んでいきたい」と強調しました。
これに対し、平野学長は「具体的にどのような連携内容になるかについては、これから話を進めながら、クリアすべき課題を精査していくことで明らかとなると考えている。そしてその先に、好適環境水に関わる具体的な技術や知識の応用がある」との考えを示しました。
ハエル局長らからは、既に事業化が進んでいる交雑ハタやベニザケ、タマカイなどについて「生残率はどうか?」「販売価格は?」「特許の使用料は?」「消費者の評価は?」などと生産性を中心に突っ込んだ質問が相次ぎました。
平野学長(後列左から4人目)を表敬訪問したインドネシア政府の訪日団
平野学長(左端後ろ姿)と歓談するインドネシアの一行
山本准教授(右端)から好適環境水の説明を受けるインドネシア訪日団メンバー